Prompt Magic v2という機能が公式にリリースされました。
ブログ管理人も以前からβ版を使用しており、機能を有効にすると、画像の印象が明らかに変わることは分かっていたものの、その原理についてはよく理解していませんでした。
加えて、正式リリース後はPrompt Magicv2を使用すると、tokenを2倍消費してしまいますので、それに値する機能なのかどうか調べてみました。
実際に有効にした際の例なども載せておきます。参考になれば幸いです。
Prompt Magic v2とはなにか?
Prompt Magic v2の概要
Some of you have wondered how exactly PMv2 works. Just to clear up any misconceptions – it is not a simple modifier on your prompt. There’s a lot more going on, which allows you to extend finetuned models far outside their normal domain, and bring much greater prompt adherence to the equation. If you’ve yet to try PMv2, give it a whirl!
公式Discordより
説明読んだだけでは、いまいちピンとこないこの機能。公式Discordの説明を要約すると・・・
「PMv2は単なるプロンプトの修飾子ではありません。ファインチューンされたモデルが、通常のドメインの範囲を超えて拡張されることで、より高いプロンプトの適合性をもたらすことが出来ます。」
赤字部分が難解ですね。AIの知識が無い私にはさっぱりでした。そんな私なりの解釈は以下です。
通常AIモデルは、特定のドメインに限定されたデータで訓練されます。しかし、PMv2を使えば、AIモデルは特定のドメインの範囲を超えて、異なるドメインでも生成が可能になります。つまりPMv2を使えば、「アニメ生成に特化したモデル」に「実写」を生成させたとしても、Promptに基づき、自然な実写画像の生成が可能になるということです。つまり、このPMv2により、モデルの応答範囲が拡大し、Promptさえ正しければ、より幅広い領域で適合できるということですね。
簡単に言うと「自分の知らないことは、他の人に教えてもらう」といった様な解釈でしょう。
例を上げて説明しましょう。PMv2の機能に関する公式ツイッターのコメントです。Promptには、「色とりどりな塵の爆発」と入れたのでしょう。
Let's run a few comparisons with PMv2 on and off.
— Leonardo.Ai (@LeonardoAi_) April 15, 2023
First up "A colorful explosion of dust"
Left is without PMv2, right is with.
No contest, PMv2 wins. 💥 pic.twitter.com/0ELiiHyeBH
左はPMv2 OFF。右がPMv2 ONです。いかがでしょうか?
左は花火モデルなのか、塵の爆発は再現できず、花火になっていますね。
一方、右はPMv2をONにしたことで、花火モデルでも通常のドメインの範囲を超えた結果、「色とりどりな塵の爆発」が再現できていますね。
誤解を恐れずに言うと「AIモデルがそれぞれ足りない部分を補い合って、Promptをより忠実に再現し、高品質な画像生成ができる機能」と捉えれば良いのでしょう。
Prompt Magic v2のコスト
Prompt Majicは素晴らしい機能ではあるものの、「品質は価格に比例する」という事でしょう。
We hope you’ve all been enjoying Prompt Magic v2’s discounted beta period, but some good things (not all!) must come to an end, and so the token multiplier is coming back for PMv2. Prompt Magic has a 2x overhead for GPU usage, so we unfortunately don’t have a choice but to pass this on if we want Leonardo to be sustainable.
公式Discordより
公式Discordの説明を要約すると・・・
「Prompt Majic v2のベータ期間終了に伴い、Prompt Majic v2を利用いただくには2倍のトークンが必要となります」
今後、PMv2を有効にすると1枚の画像生成に2トークンになります。
まぁ、行われている処理の複雑さやGPUの負荷を考慮すると、仕方のない変更となりますね。
Prompt Majic v2によるAIイラストの変化
参考画像1: アニメ調のAIイラスト
百聞は一見にしかず。早速Prompt Magicによる画像生成を行っていきましょう。
左のメニューボタンからPrompt Magicを有効にします。
- Prompt Magic
Prompt Magicの有効・無効の設定です。 - High Contrast
影のあるムーディなイメージにするか?というオプションです。暗いと感じる場合はこちらはOFFにしましょう。 - Prompt Magic Strength
Prompt Magicの影響度の設定です。
値が低いとPrompt Magicが弱く
値が高いとPrompt Magicが強く
なります。
それ以外の生成方法はほかと同じなので、設定したら早速”Generate“ボタンをクリックします。
Prompt Majicなし
まずはPrompt Majicなしで生成です。素人目には十分キレイに生成されているように見えます。
Prompt Majicあり High Contrastなし
印象が変わったのが分かるでしょうか?濃淡がハッキリと付き、Prompt Majicなしと比較すると、現代風の作画になったような気がします。
Prompt Majicあり High Contrastあり
さらに、High Contrastを有効にすると暗い箇所の影が強調されてます。たしかにムーディな画像になりました。お好みで調整してください。
3つの設定の比較
違いがわかりやすいように、3つを並べてみます。何と言うか「Prompt Majic」ありの方が、時間がかかってそうな絵ですね(語彙力w)
参考画像2: アニメ調+実写調のAIイラスト
こちらも同じ様な印象でしょうか?「Prompt Majic」があった方が高品質です。High Contrastありにすると、影が強調されますのでお好みでOFF/ONしてください。
参考画像3: 実写調のAIイラスト
実写のイラストも「Prompt Majic」の方が、明らかに高品質ですね。
参考画像4: Prompt Magic Strengthによる変化
最後にPrompt Magic Strengthの強さ比較です。
左がDefaultの0.4、右がMaxの0.8です。
これも好みの問題だと思いますが、強くしすぎると他のモデルの影響を受けすぎるため、程々の強さが良いと思います。
まとめ
Prompt Magicを有効にすると「ハッ」とするような画像が生成されますので、まだ使ったことがない方は是非とも試してみてください。
トークンは2倍必要ですが生成される画像のクオリティを考慮すれば、十分その価値はあると思います。
さて、次回は生成した絵を修正する「AI Canvas」という神ツールについて紹介したいと思います。
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